某ブログで紹介されていて、とても魅力的だったので夏休みに予約を取って宿泊してきた。
本当に居心地の良いところだった。
NIPPONIA 大屋大杉 養蚕集落
兵庫の養父市にある集落の宿。養父市はキャンプやグラベル(関西でメジャーなグラベル。瀞川氷ノ山林道)を走ったり、過去に何度か訪れたことがある。自然が豊かで好きな地域だ。宿に泊まるまでは知らなかったんだけど、この辺りは養蚕業が盛んだったらしい。ここも養蚕のために建てられた築130年の古民家で、それを改装して営業している。
外観は集落に溶け込んでいる様子。田舎の集落に過ごすのは初めての経験なので、建物の中に入る前からワクワクした。中に入ると懐かしい豊かな木の香りが漂っていた。造りも手をあまり加えてないようで、木の暖かみのある雰囲気がホッとさせてくれる。家から遠方の場所に泊まることは非日常であるはずだけど、元の自分の居場所に帰ってきた気分だ。
オーナーは柔らかい雰囲気で優しい方だった。有難いことに今回はたまたま貸切で、予約した部屋以外も利用していいですよと案内して頂いたので、一軒家を自由に動き回ることが出来た。木造だから歩き回るだけで木の軋む音がするけど、なんだか楽しい。
近くの近所を散歩。
夕食
楽しみにしていた夕食。地の物を使った料理を提供してくれる。味付けは極力シンプルで素材の味を活かしていた。オーナーが食材について丁寧に説明してくれるのも嬉しい。舌が肥えているわけではないので、こういうサービスは料理を食べる時に一層楽しくなる。
一品目
瓜の煮浸し。冷たくて、瓜の青々しい香りが爽やか。凄く夏っぽい一品で気持ちが上がる。
二品目
コーンと車海老の天ぷら。車海老は濃厚な味噌が溢れてくる。コーンは甘味が強い。
三品目
自家製そば。
四品目
岸田川でとれた天然の鮎。天然物は初めて食べた。何故か海苔みたいな香りがした。意外だったのは頭と背骨が脂がよくのっていて、一番美味しかった。脂は養殖と違い透明感がある感じ。
五品目
野菜の炭火焼き。左のナスは進美(しんめい)ナスと言って、但馬の在来種らしい。これがトロトロで濃厚、かなり旨い。丹波黒豆も香ばしい。
六品目
これも煮浸しというのだろうか。優しい出汁で玉ねぎの甘味が引きたっていた。
七品目
鹿肉のロースト。醤油漬けのサンショウの実と一緒に。臭みは全く無い。腕の良い猟師が扱わないと、こうはならないらしい。鹿肉は初めて食べたが、力みなぎる味で美味だった。
八品目
焼きお握り。米が美味しい。おかわりも頂いて、モズクガニの蟹味噌を混ぜた味噌を添えてくれた。じんわりと蟹味噌の旨味が広がって、これが米とよく合う。。。
九品目
デザートの羊羹。
朝食
湯葉豆腐、ハタハタ、自家製納豆など贅沢過ぎる朝食。ご飯が人生で食べた中で一番美味しかった。
帰り際、オーナーが夕食で出してくれた味噌を小瓶に入れてどうぞ、と渡してくれた。夕食で食べた中で感動した物の一つだったので、凄く嬉しかった。
丁寧に準備された料理からオーナーの地元の食材に対する敬意を感じ、その料理を頂くことで集落を身近なものとして感じることが出来た。一泊だけど、気持ちが満たされて、まさにこの場所に自分が溶け込んでいるようで居心地がとにかく良かった。養父市をより好きになることが出来たと思う。
いつかまた訪れたい。
おしまい。