秋吉台カルスト ツーリング 山口
先月、GWに山口でツーリングをした。
司馬遼太郎の「花神」で村田蔵六(大村益次郎)の「萩の山並みは日本で一番美しい」というセリフが印象に残っていて、山口には行きたいと思っていた。
DAY1
四国カルストを超えて、阿武町のキャンプ場を目指す。
萩城城下町に寄り道をして、木戸孝允旧邸と高杉晋作生誕地を訪れた。
城下町の細道を歩いていると、屋敷の中で茂っている黄色い蜜柑がよく目に入る。白壁の上から顔を出している蜜柑はやたらと美味しそうに見えた。
萩と蜜柑の歴史は長く、明治維新により職を失い困窮した武士への救済措置として始めたのが蜜柑農業らしい。評判が良く、かなりの高値で取引されてたんだとか。見事に萩の財政を復活させ、現在も山口の名産となっている。
町を歩くと蜜柑が目立つ。
木戸孝允旧邸。直筆で「死而後已(ししてのちやむ)」(死ぬまで努力)と書かれた柱が保管されている。
高杉晋作旧邸にあった人相書。同じ物がヤフオクで10万で売ってた。
続いて萩博物館も寄った。司馬遼太郎の「世に棲む日日」(吉田松陰と高杉晋作の生涯を描いた小説)を読んだ程度の知識だったが、相当面白かった。
萩を出て阿武町のキャンプ場へ。
ABUキャンプフィールド https://abucampfield.jp/
snowpeakが運営するキャンプ場で、かなり快適だった。道の駅と温泉もすぐ横にある。
道の駅で食材とビールが揃う。
DAY2
DAY1と同じルートで新山口駅まで向かう。
まだ訪れたい所があったので、もう一度萩へ。
まずは松下村塾へ。かつて明治維新を成し遂げた偉人が学んでいた私塾。吉田松陰がアメリカに密航しようと、ペリーの船に乗り込んだ罪で獄に入れられた。獄を出た後、近くの杉家宅に幽閉されている最中に小屋を改装して建てたらしい。(この幽閉された部屋も現存している。3畳半の小さな部屋だ)
松下村塾。
次に近くの玉木文之進旧宅へ。普通の屋敷だが、入館料は無料で、中に入るとボランティアの方が丁寧に解説してくれる。https://www.hagishi.com/search/detail.php?d=100047
玉木文之進は松下村塾の創始者で、子供の頃の吉田松陰を厳しく指導した超スパルタ講師として有名だ。指導する際は松陰を半殺しになるまで追い詰めたという。事実か不明だが、小説の中では授業中に頬をかいた松陰を崖から突き落としたというエピソードが描かれている。。。自身も幼少期を振り返り、よく生きていたものだ、と述べているらしい。一方で子供とよく遊んでくれる人で、近所の子供達を集めてこの旧宅で授業を行っていた。この形がモデルとなり、松下村塾では身分や階級に関わらず、塾生を受け入れていたのだとか。
ボランティアのおばさんに、少し上った所に吉田松陰生誕地があるから、よかったら寄ってみたら、とおすすめされたのでついでに寄り道することにした。
萩町を一望できる高台にあり、建物自体は存在しないが住んでいた人の記憶により、当時の間取りを示す敷石が復元されている。
松陰の学習方法として実際に土地を訪れて、その土地柄を詳細に調査して知識を獲得していたという。
この高台から知識を学んでいたのだろうかと思いに耽ながら景色を眺めると、やたらと感動してしまった。
萩町の美しい街並みが一望出来る。
草原内のダートを自転車で走行出来るか、ダメ元で観光局に確認を取ったところ、車両は一切禁止。
背景の白い岩、ぱっと見、草原に固着するフジツボみたいだな。
カルスト横に少しだけグラベルがある。
https://goo.gl/maps/Wmf3uJswBVEURY3v6
カルストから北西には荒ヶ峠林道という5kmほどのグラベルもある(今回は未到達)
そのまま、新山口駅まで降りてフィニッシュ。
今回、かなり有意義なツーリングになった。歴史の知識を事前に得るだけでこんなに旅が面白くなるとは思わなかった。
萩は低い山並みと海に挟まれて、中央には綺麗な城下町が遺されており、非日常っぽい雰囲気が魅力的だった。
美しい山並みはどの辺りことを述べていたんだろう。。。またいつかこの町に訪れたい。
お終い。